この記事は、
授業に心理学がどう役に立つのかや、授業に心理学。その効果とは?の続きです。
効果の高い授業をするには?
マーケティングの考え方(イノベーター理論)を参考にすると、トップを動かして追随する人を作ろうというアイディアが生まれるかもしれません。
ですが、購買行動(購買意欲)と学習意欲が全く同じような性質を持つとは考え難いです。流行の学問や学習スタイルを追いかけて勉強をし、カッコよさを競い勉強の様子をインスタにアップするということは起こるでしょうか。
シミュレーションしてみます
では、やる気があり良く出来る一部の学生達をトップランナー、残りの学生をフォロワー(追随者)と呼ぶことにし、トップランナー中心の授業について私自身の経験などから想像し得る範囲でメリットとデメリットを書き出してみたいと思います。
授業の様子としては、講義や実習はシラバス通りに進めながら、クラスの理解度はトップランナーの理解度を判断規準とします。
トップランナーがきちんと理解出来、かつ若干の余裕もある(フォロワーも学ぶ時間がある)ペースといえばいいでしょうか。フォロワーを決して無視する訳ではありません。質問があれば丁寧に対応します。ただ授業の内容をどれだけ身に付けるかは基本的に自己責任とします。
メリット
学生のメリット
- トップランナーが伸びる。
そもそも彼/彼女は手取り足取りの指導はそれほど必要ない。。。
トップランナーが役割を自覚すればリーダーシップ発揮の機会。 - フォロワーの中でトップランナーと仲の良い人も伸びるかも。
トップランナーの助けを借りやすいので、それなりに伸びる。 - フォロワーのメリット
成長するかは自分次第なので、ある意味楽な授業。
講師のメリット
- 授業が楽にやれる(?)
理解の早い人を中心に教えてるので、特に授業の準備が楽かもしれません。
デメリット
学生のデメリット
- トップランナーが十分には成長しない。
日本独特かもしれませんが、フォロワーに遠慮してトップランナーが力を出し惜しみする。油断して手を抜いたりする。 - フォロワーの不満や諦め。
「トップランナーをひいきしている」と感じれば、フォロワーの不満や諦めに繋がります。見た目はさぼりの状態となるでしょう。 - トップランナーもフォロワーも結局あまり成長しない可能性がある。
履修はしたけれど、良く分からなかった。なんとなくあの授業難しかった。
講師のデメリット
- 教えにくい雰囲気
学生のモチベーションが上がらず教えにくい。 - 授業効率の低下
教える手間は結局増える。
フォロワー個々に再説明する回数が増加する。 - 授業の成果が出ない
授業計画に対して成果があまり出せない。
恥ずかしながら、かつては結果としてこのような授業を行ってしまっていました。丁寧に学生個々にも指導をし配慮しているつもりでも、限られた授業時間の中で出来ることは限られ行き届きません。教える内容が高度になればなおさらです。
クラス全体として伸ばすことを考える必要性を、肌で感じました。そしてその中心の場は授業です。なぜなら、休み時間に質問に来る学生もいれば、そうでない学生もいます。確実に学生に直接関わることができるのは授業だからです。
今は、誰もが学び成長できる授業をめざして、少しずつですが実践を重ねています。
私の現在の授業の取り組みについては、プログラミングの授業で大切にしていることの記事に書きましたので、良かったらご一読ください。ご意見ご感想もぜひお願いいたします。
話す効果を生かしたい
大学で学びながら、まずは授業の安心・安全な雰囲気づくりのために構成的グループエンカウンターを取り入れました。試行錯誤しやすくし、考える授業を実現したいと考えていました。
徐々に、学習効果を出すにはまだ工夫が足りないと考え、アクティブラーニングが良いのではと思った頃、クラス全体が協働して学習し成長する、西川純先生提唱の『学び合い』を知りました。
『学び合い』の特徴の1つは話すことにあるのではと思います。
ちょうど私自身が仕事と大学の両立に悩まされていた頃でしたので、話す効果を実感していたのもあるでしょう。40代の女子大生は、新しく覚えるべき膨大な知識や記憶力の衰えと日々格闘していたからです。
話を聞いたり本を読んだりするだけよりも、スクーリングで他の学生と話し合ったり教え合ったりする方が、覚えられ理解も深まることを実感しました。そのため、友人もですが、家でも我が子に雑談として付き合ってもらい、勉強した内容を話すこともしていました。
また、私が講師として教えている内容については当然良く理解しています。これは授業の予習の効果もあるでしょうが、授業で話す効果も大きいのです。
『学び合い』についてはこちらのサイトをご参照ください。
『学び合い』については、何冊か本も読んだのですがこれから勉強いっそう勉強していきたいと思っています。
次の機会には、Web制作の授業などで『学び合い』を私なりに取り入れて実践してみた授業についても書きたいと思います。
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参考:マーケティング用語集