授業に心理学がどう役に立つのかの続きです。
前の記事では、大学編入(教育学科)で学んだ応用心理学が学生の理解にとても役立ったことを書きました。今回は、授業をする、教える立場にいる人が心理学を学ぶ『メリット』について、もう少し私なりに掘り下げて考えてみたいと思います。
心理学はこんなことに役立つ
- 安心・安全で学びやすい授業環境
↓ - 学習効果が上がる
↓ - 授業が楽しくなる
1.安心・安全で学びやすい授業環境業
学生同士、講師と学生の信頼関係を授業の中で築くことができます。それによって学生は授業中安心して過ごせます。また学生の心理的安全を確保することもできます。学びやすくなるのです。
実際には、構成的グループエンカウンターやアイスブレイクなどを活用して行います。
ところで、授業での安心・安全とは何でしょう?
例えば、突然先生に指名されたときに素直に思ったこと言えるのと、「先生的には何が正解なんだろうか」「こんなこと答えたらクラスメイトにバカにされないか」とあれこれと勘ぐり答えにくいのとでは、授業中のリラックスの度合いが異なります。
先生や友達など周りの目を気にすることは無意識に多くのパワーを使ってしまいとても疲れる行為です。それは学習効果の差となっても現れます。
また学生同士が教え合うとき、アイディアや意見の違をお互いに認め合えるのか、もしくは「あんな考えはおかしい」「こんなことも分からないのか」のような摩擦が起きるのかも、学生にとって大きな違いでしょう。
学生が疲労しやすい、また人間関係における摩擦が多い、そのような環境は心理的に安全とはいえません。
また、実は教える側にとっても、心理学の知識に支えられることで安心・安全です。単なる個人のアイディアとして実行しているのではなく、多くの実践や実証に支えられたより確実な方法であるため、自信が持て、気持ちの余裕が生まれます。
2.学習効果が上がる
- 授業に積極的に参加できることで、理解が進む。
- 教え合いなど学生自身が話して言葉にすることで知識が定着する。
- 教え合いには「先生」が実質増える事と同じなので、効率が上がる。
などの効果があると考えています。
また、知識や技術を吸収するだけでなく、学生達自身が「できるようになった」という実感や自信を持つこと、つまりは達成感を得ることもとても重要だと考えています。それが次のモチベーションに繋がり、さらなる学習効果へと循環していくからです。
さらに授業の中ではポートフォリオやルーブリックといった評価方法や、スパイラルカリキュラムという学習過程を参考にもしています。
3.授業を楽しめる
- コミュニケーションを楽しめる。
- 教える側、教わる側ともに達成感がある。
などの効果があります。もしうまくいかないこともあっても、次に生かすことで良い材料となると考えています。
隠れたやる気にコミットしたい
コミット、少し前に流行りましたね。使ってみました。
ところで、企業で社会人対象に教えたときを思い出すと、受講する側も仕事として臨んでいますので目的が明確でモチベーションが高いのが特徴だと思います。講師としては、より高度な質問への対応、速いレスポンス、実践的なアドバイスなどを求められることもあり、満足の行く回答ができるか内心ドキドキしながら出向くこともありました。
学生の場合を考えると、授業内容に対する関心の度合いが様々であることや、「バイト疲れ」「スマホが気になる」「興味が持てない」など手強いボスキャラが控えている場合が実際にはあります。
ただ、一見消極的でやる気が無さそうに見える場合も実は、「やってみたい」「学んでみたい」という気持ちを内に秘めていることもまたよくあります。自信が無くて表現できていないだけ、取り組み方が掴めていないだけなのです。
せっかくご縁のあった人達や学生達。私は教室の中で誰もがより成長できる授業づくりを目指したいと考えています。成長に貢献できる講師になるべく、日々奮闘中です。
心理学をどう学ぶか?
私自身が初学者なことと、心理学はとても幅広く奥深い学問なこととで、これは私にとって難題ですが、教育心理学、発達心理学、臨床心理学、産業心理学などから、身近で興味の持てる内容が扱われている分野から触れてみることをお勧めしたいと思います。自治会、PTA、地域での支援活動などに関わられている方であれば、コミュニティ心理学という分野もあります。
※念のため、注意して頂きたいことが1つあります。例えば箱庭療法などの本格的な療法は、専門家でない人が行った場合、大変な危険が伴うものです。安易に試すことはどうか避けてください。
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続く > やる気のある学生だけに教えればいいの? - あるくテック
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2018/2/7 誤字脱字修正しました。
2018/2/8 読みやすいよう修正・加筆しました。