なんとなく年齢であきらめたりしてませんか?最近は老化についての考え方はかなり変化しています。
通信制大学で受けた心理学や発達心理学の授業で知ったことも少し含めて書いてみます。
「人間は生涯発達する存在である」
身体面を考えると、運動能力や視覚聴覚など、年を重ねると低下する機能があることも事実です。
アメリカの心理学者エリクソンは、人間の身体的な側面でなく、社会的・文化的な側面から人間は誕生から死までの一生涯をかけて環境に適用しようと発達をする存在であるとしました。これは生涯発達と呼ばれる考え方です。
「脳は生涯にわたり発達し続ける」
2014年の記事ですが、脳の無限の可能性や、脳の働きを制御するのは心だということが書かれています。
目や耳など他の器官とは異なる特徴を持つようです。
老年期とは?
ここで老年期について考えてみようと思います。
前出のエリクソンは、一生を8つのステージに分けそれぞれのステージには克服すべき課題があるとしました。
課題を克服することで次のステージへと健康的に発達することができると考えました。
8段階のライフサイクル
1.乳児期(0歳~1歳半頃)
2.幼児期前期(1歳半~3歳頃)
3.幼児期後期(3歳~6歳頃)
4.児童期(6歳~12歳頃)
5.青年期(13歳~20歳頃)
6.成人期(21歳~39歳頃)
7.壮年期(40歳~60歳頃)
8.老年期(60歳以降)
(※年齢の定義は書籍によって微妙に差があるのですが、大枠は変わりません。)
老年期の課題「統合性 vs 絶望」
老年期は第8の最終段階でもうその次はありません。自分の死を受け入れる準備をする段階です。
この時期に、良い事や悪い事を含めて自分の人生が意味のあるものだったとおおむね受け入れることができれば統合性が育まれた、つまり老年期の課題を克服したことで健康的に発達を遂げたことになります。これは老年期をよりよく生きるために必要な発達なのです。
では、これまでの人生に納得がいかない場合はどうなるのでしょう。いくら後悔しても残念ながら残された時間は限られ、大幅なやり直しは困難です。
課題の克服は叶わず「絶望」に陥るとされます。
課題の克服は決して100%でなくて良く、おおむねでいいのです。
そして年齢であきらめる心が脳の働きにブレーキをかけているとしたら。
あきらめるってちょっと怖いことだとも思いませんか。
そうそう、昨日通信制大学で学ぶ - 続けるコツは、やめたくない理由を考えること という記事を書いたのですが、やめたくない理由のひとつに「老年期の絶望を回避したい」はいかがでしょう?!