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日々試行錯誤しつつ実践中

戦略は何のために? みんなで取り組む『学び合い』入門 第3章の感想

みんなで取り組む『学び合い』入門 (THE教師力ハンドブック)(西川純先生 著)の第3章を読んでの感想です。1つ前の記事の続きです。

 

arukutech.hatenablog.com

第3章「最初に説明しよう!保護者との接し方」

私は非常勤講師として働いているため、学生の保護者の方と直接お目にかかることはありません。

ただ、私なりになのですが、学費を払って子どもを学校に通わせる親御さんの思いを忘れないように心がけています。進路指導や保護者対応をしている他の先生方のことも忘れないようにと意識しています。

そういった状況のため、この章は第三者として役立つ知識が多いのだろうかと思いつつ読みましたが、授業にそのまま活かせるヒントがいくつもありました。

協力を得るための戦略

第1章では校長先生の協力を得るために、この第3章では保護者の協力や理解を得るためにどうすれば良いのかが書かれています。

これらはそのまま、クラスまたは子どもへの対応と通ずるものだと思いました。すぐに授業に活かせそうなヒントもありました。人と接する基本は、相手の立場が変わっても共通するものがあるということなのかもしれません。

フェスティンガーの認知的不協和理論による「人は他の人に語った言葉を信じようとする」ことを踏まえた対応などは、人によっては戦略的過ぎると感じるのかもしれませんが、様々な相手に寄り添うためには相手に合わせた様々な過程もあるのだろうと思います。ただし、「何のために」という軸がきちんとしていないと、表面的で小手先の戦略になってしまいます。

私の軸は?

私はこれまでの授業の中で、授業のやり方に向かい合うこととなったきっかけをいくつも頂いています。決して義務感や危機感だけでなく、期待感も大いに感じながら勉強と実践を続けてみています。でも『学び合い』についてまだまだ理解できていません。

・・・なぜ「理解できていないと感じるのだろう」と少し考えてみました。2つ理由があって、1つはまだ他の人に『学び合い』について十分に説明できる自信がないこと。もう1つは、質問や疑問がまだあまりないこと、かと。

全6章のうちの半分が終わりました。後半も楽しみです!

『学び合い』の子ども観・先生観(みんなで取り組む『学び合い』入門 第二章の感想)

みんなで取り組む『学び合い』入門 (THE教師力ハンドブック)(西川純先生 著)の第2章を読んでの感想です。1つ前の記事の続きです。

第2章「悩みも迷いも受け止めて!子どもとの接し方」

『学び合い』が上手くいかなくなったときのチェックポイントや対処の仕方、子どもが悩みを訴えたときやクラスの雰囲気が悪いときの対応の仕方や考え方などについて書かれています。

感想:『学び合い』の子ども観・先生観についての章

 先生が子どもをどう捉えるか、そして先生が自分自身をどう捉えるか。

そして子ども観として、個から集団へのシフトの提案。

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みんなで取り組む『学び合い』入門の第一章を読みました

みんなで取り組む『学び合い』入門 (THE教師力ハンドブック)(西川純先生 著)の第一章を読んでの感想です。

第一章「タイプ別に違いがある?校長の協力を得るために」

これまでの授業とは目ためのかなり異なった『学び合い』の授業を実践する上で、学校のトップである校長先生の協力をどう得たらいいのか、経営学も交えつつ組織やリーダーについて解説されています。

正直に言うと、フリーランスで非常勤講師の私には、第一章はあまり関係ない内容かもしれないと思っていました。

社会で活動するための大切な知識

第一章は、組織、そして社会の中で何らかの活動をするときに役立つ知識です。

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『学び合い』を学ぶ

突然ですが、

西川先生からコメントを頂きました。

2日前に『学び合い』について書いたところ(1つ前の記事)その記事を@webdesignStatio様がTwitterでつぶやいて下さったのです。

そしてそのつぶやきに対して、西川先生がコメントを寄せてくださいました。

即注文したことは言うまでもありません。

Twitter、Facebook、ブログなどのSNSを通じていろいろな方と繋がりが持てることはこれまでも経験しており頭では分かっていたつもりでしたが。とても大きな励みになります。

西川先生、本当にありがとうございました。

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2018年度の『学び合い』

今年度も、専門学校の非常勤講師として授業をさせて頂いています。

昨年度から『学び合い』の授業スタイルを取り入れ、その効果を実感したため、今年度も継続しています。

『学び合い』については、提唱し研究をされている西川純先生のサイトをご参照ください。

http://www.iamjun.com/

 

授業のやり方を学生と決めてみる

『学び合い』の授業を実践しようとするとき、私が内心不安に思っていることがあります。それは、私が極力「講義をしない」ことを、学生が「教えていない・さぼっている」と思うのでは?ということです。

私の授業ガイダンスでは、アクティブラーニング型の授業のメリットやその基盤となる安心安全な授業環境について必ず話をしています。

でもどこか不安は残るのです。これは、私がまだ『学び合い』について初学者で知識や経験が足りないところから来るもののように感じています。

授業のやり方も学生に考えてもらおう

語弊があるかもしれませんが、私の授業の目的は「学生の成長」であって、決して『学び合い』の実践ではないのです。

そこで今年度は『学び合い』のスタイルの授業を体験してもらった後で、次回以降の授業を「一斉授業+実習」か『学び合い』かで学生たちに選んでもらうことにしました。

彼ら・彼女らが学びやすい方をやればいいか!と、講師としてはなんとも他力本願な戦法に出たわけです。 

結果は『学び合い』

『学び合い』スタイルを体験してもらったあと、どちらか良いかを挙手で聞いてみたクラスでは、「一斉授業+実習」に手を挙げた学生が一人もいませんでした。結果、どのクラスも短い講義と『学び合い』を組み合わせた授業を行います。

うまくいきすぎなんじゃないの?!

学生のためになると確信し、一大決心をして始めた『学び合い』が、学生達に好意的に受け入れられたことは大変嬉しく安心したのですが、、、心のどこかで「これってうまくいきすぎてない?私は何か見落としてるのでは?」と新たな不安が芽生えます。心配性なのでしょうか。

『学び合い』の西川先生のサイトには、

 『学び合い』は実に簡単です。分かってしまえば、今日から直ぐに実行でき、直ぐに子どもたちが変化します。学力が向上し、子どもたちの人間関係が良くなります。不登校だった子ども、学級に戻ります。特別支援の必要だと思われた子が、気にならなくなります。こんな夢みたいな事が、直ぐに起こります。

とあります。まさにこの状態なのでしょうか。

そしてこの文章は以下のように続きます。

ただし、今までのあなたの学んできた教材・指導法と決定的な違いがあります。それは切り売りが出来ません。根本となる考え方が理解して頂く必要があります。逆に、根本さえ理解すれば、後は自分で考えればいいだけです。教材毎に本を読む必要はありません。何かの技術を覚える必要もありません。

『学び合い』や学生の協力に支えられて現状はうまくいっているらしき私の授業ですが、私自身がより安心してそして確信をもって授業を進めるためにはもう少し私自身の勉強が必要なんだろうと感じています。

これはまだまだ先の話

専門学校にいらっしゃる非常勤講師の先生方は、実社会での経験を買われて呼ばれるわけで、教育学などを学ばれた経験は当然ないのです。現に私自身もそうでした。

私はともかくとして、他の非常勤の先生方はその道のスペシャリストの方々です。学生達が学ぶべき豊富で高度な知識と経験をお持ちです。

私は学生にプログラミングの初歩をはじめ、難しいけれど大事な概念であるオブジェクト指向プログラミングを理解させることに強い関心をもっています。

そのため以前は、私がブートキャンプ的な学生の基礎的な技量を挙げる授業を行って、スペシャリストの先生の授業への橋渡しができれば「みんなHappy!」で良いのではと、非常勤の立場ながらひっそり考えていました。

『学び合い』を加えて考えてみると、もっともっと大きな広がりも感じています。私が『学び合い』の知識を深めることが出来れば、授業に困難を感じている他の先生とまた違った協力ができて、「みんなもっとHappy!」になるのではと、またもやひっそりと思うのです。

引用記事の元ページはこちらです。

jun24kawa.jimdo.com

これから

しばらくしたら、再度授業スタイルの希望を学生にきいてみたいと思っています。その時には、どちらにも挙手をしていない学生(隠れ一斉授業派?)がいないか注意しておきます。

なぜかというと、そういう学生の要望をきちんと拾えてこそ、全員の成長とそして私の成長があると感じているからです。

・・・申し訳ありません。かっこよく言いすぎました。

・・・面白そうだからです。